BABの法則とは?意味と定義を3分で解説【マーケティング用語辞典】

コピーライティング
編集長
編集長

自分の商品を買ってもらいたいとき、単に『買ってください!』って叫ぶだけじゃ、誰も見向きもしてくれないよね

T太
T太

いきなり売り込まれたら引いちゃうね…

編集長
編集長

そこで必要になるのが、読み手の『買いたい気持ち』を自然に引き出す文章術、いわゆるコピーライティングだ。これはWebやSNSが流行るずっと昔から研究されてきた技術なんだよ

T太
T太

よくある「買うなら今!」的な?

編集長
編集長

もちろん、そうやって緊急性をアピールするのもテクニックの一つだ。

でも、コピーライティングというと、最初のつかみから最後のまとめまで、全体の流れを計算して、読み手の心をゴールまで導いていく文章技術のことを指す

T太
T太

なんか洗脳みたい

編集長
編集長

確かに悪用すればそういう側面もあるかもしれない。

ただ、これだけ情報があふれた現代では、いくら良い商品を作っても、ただ置いているだけじゃ誰にも気づかれない。

ライティングは、そういった埋もれてしまっている商品の魅力を、必要としている人に『正しく届ける』ための技術だとも言えるね

T太
T太

商品に日の目を見せてあげる、救いの技術ってことか

編集長
編集長

その通り。世の中にはたくさんの型(フレームワーク)があるけれど、今日はその中でも『意外と知られていないけれど、基本中の基本』という重要な型を紹介しよう。

まずこれを身につければ、他のスキルも吸収しやすくなるはずだ

BAB(バブ)の法則とは

一言で言うと、BABの法則は「今の問題を提示し、解決後の素敵な未来を見せ、そこへ架ける橋(解決策)を渡す」という手法です。

コピーライティング(広告文章)の世界で古くから使われている「文章の型」の一つであり、次の英語の頭文字をとって名付けられました。

  • Before(ビフォー):現在の悩み、問題点
  • After(アフター):問題が解決した理想の未来
  • Bridge(ブリッジ):そのギャップを埋める解決策(商品・サービス)

軽量が売りの掃除機を提案する場合を例に考えてみましょう。

まず、「Before=今の悩み」を提示します。

「毎日のお掃除、重たい掃除機を持って階段を上り下りするのは、腰にも負担がかかって本当に大変ですよね。」

次に、悩みが解決された理想の状態を想起させます。

「もし、指一本で持ち上げられるほどに軽い掃除機があったらどうでしょう? 毎日の掃除がサッと終わり、腰も楽々。余った時間でゆっくりコーヒーを楽しむ余裕なんか生まれちゃうかもしれません。」

最後に、商品がその悩みを解決することを提示します。

「それを叶えるのが、当社の最新軽量モデル『エア・クリーナー』です!驚きの軽さを、ぜひ体験してください!」

T太
T太

テレビショッピングでよく見るやつだね!

編集長
編集長

時代が変わっても使われ続けているのは、それだけ普遍的で効果が高い証拠なんだろう。

もちろん、テレビショッピングには他にもいろんな高等テクニックが詰め込まれているけれど、ベースにあるのはこの考え方なんだよ

人は「機能」や「スペック」だけを説明されても、なかなか心が動きません。 しかし、「現状の不満(Before)」と「理想の状態(After)」というギャップを見せられると、その差を埋めたくなる心理が働きます。

そこに「この商品を使えば、その橋を渡れますよ(Bridge)」と提示されることで、自然と解決策を受け入れたくなるのです。

編集長
編集長

ちなみに、BABとよく似ているの「PASの法則」というものもある。

PASの法則

  1. Problem(問題): 読み手が抱えている悩み、課題、痛みを明確に言語化する。
  2. Agitate(扇動・あぶり出し): その問題を放置することによるリスク、将来的な悪化、精神的な苦痛を詳細に描写し、感情的に揺さぶる。
  3. Solution(解決策): 唯一の救済策として自社商品を提示する。高まった緊張を一気に緩和させることで、商品への信頼と依存を生み出す。   
編集長
編集長

BABは悩みが解決した先の「希望の未来」を提示するのに対して、PASは問題を放置することによって生まれる「リスク」を提示して不安を煽る手法だね。

T太
T太

こっちもよく見るパターンだね…

編集長
編集長

BABは「恐怖」ではなく「希望」にフォーカスするため、読後感が良く、クリーンな印象を与えたいプレゼンや営業資料などに効果的だ。

また、XなどのSNSにおいて短い文章で伝えたいときにも使いやすい型だよ。

【参考文献・出典】

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この記事を書いた人
Neuviate

早稲田大学中退後、輸出入事業やIT事業など、多岐にわたるビジネスの現場で失敗と成功を繰り返しながら実務経験を積む。その後、教育系事業の広告・マーケティングに従事し、実践的なノウハウを体系化。同事業で培った実績をもとに独立を果たす。独立後は、豊富な経験を活かし、物販事業、士業の集客コンサルティングを専門に手掛けている。
著書に『高校生のマーケティング大全: AI時代を生き抜く最強の脳内OSをインストールする』がある。」

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