「Slop(スロップ)」という言葉をご存じでしょうか?
最近、急速に広まっているネットスラングです。
本来の意味は「こぼれた液体」や「家畜にやる残飯」のことですが、AI時代における新語として、「AIが生成した、質の低い、誰も望んでいないコンテンツ」を指す言葉として定着しつつあります。

薄い情報が羅列されているだけのサイトとかね

いわば、現代版の「スパム」と言えるね
インターネットの歴史を振り返ると、スパムが蔓延したことで、それを防ぐために多くのビジネスや企業が生まれました。
このスロップについても同様のことが言えるでしょう。
これからスロップが蔓延していくのは間違いないでしょう。
そんな中、スパムの歴史を振り返りながら、スロップの蔓延によって生まれる可能性のある、あるいは生まれつつあるビジネスを考察してみましょう。
スロップの蔓延で何が生まれるか?
歴史は繰り返します。
AIによる「スロップ」がネットを埋め尽くすこれからの時代、私は「アンチ・スロップ・ビジネス」は急速に進化していくであろうと考えています。
例えば、かつてメール配信ベンダーが「信頼」を売ったように、今後は「これは人間が作った本物のコンテンツです」と証明する認証機関やプラットフォームがビジネスになるでしょう。
消費者はすでに「AIっぽい」コンテンツに飽き始めています。
スロップを見分けるリテラシーも急速に高まっていき、AI臭がするものを無意識にスルーしていくようになると思います。
「AIではない」という証明マークの価値は日に日に増していくと思います。
また、スロップフィルタの精度についても競争は激化していくでしょう。
かつて、Gmailがスパムを駆逐して勝ったように。

そもそも「これってAIかな?」と疑いながらSNSを見ること自体が結構疲れちゃうんだよね。

生成AIの蔓延でユーザー体験が損われるリスクは各プラットフォーマーも当然認識している。
次世代のSNSや検索エンジンは、「いかにAIスロップを排除し、有益な情報だけを表示できるか」を模索している状況だろうね。
ここからは、ちょっと極端な予測です。
スパムメールに対する拒否感が強まったことで、「インバウンドマーケティング」が生まれ、その流れは現在まで強まってきました。
これをAIによる大量生成コンテンツへの拒否感になぞらえると、今後、マーケティングは「人間的な体験」、つまり、コミュニティ、対面、生の声、直接営業などへと回帰する流れが強まってくる可能性は高いと思います。
テクノロジーの進化には負の側面はつきもので、それを解消するために別のテクノロジーやビジネスが進化していく、というのも歴史の必然。
これまで、人間にしかできないといわれていた創作の領域にテクノロジーが踏み込み、様々ンコンテンツを誰でも作れるようになった今、自社の商品やサービスを消費者に目にしてもらうためには、結果的に、人間の思考、工夫、行動の重要性はさらに増していくでしょう。



